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アマデウスのmovieoneのレビュー・感想・評価

アマデウス(1984年製作の映画)
4.0
モーツァルトの才能に憧れた宮廷楽長(モーツァルトを殺したと言われる人物)が、当事者は語る形式で自身とモーツァルトの関係を牧師に告白する伝記的映画。

開始の印象
サリエリが1人で罪の告白し、自害を試みる場面からスタートすることが印象深い。また、命を取り留めた後は牧師へ罪を告白するが、徐々に自責の念から開き直りへと心情が変化していることも面白い。

印象深い言葉
あんたも同じだよ この世の凡庸なる者の一人
私はその頂上に立つ、凡庸なる者の守り神だ。

映像表現
18世紀のウィーン(当時はドイツなどの複合国家)の雰囲気が少し理解できた。まさにという感じの白靴下スタイル。宮廷の華美なインテリアや衣装が現れるシーンが多いせいか全体的に明るい印象だが、実は誰も幸せになっていないことが興味深い。

個人的分類
タイタニック的な伝記映画

疑問
なぜ、モーツァルトの才能を理解できる才能がありながら、また宮廷楽長という地位がありながら自分自身を認められなかったか?

→人間は妬む生き物だから。
民主主義の発展は平等と考えられるが、その背景は他者への妬み。貧しい者も富める者も同じように妬みを持つ。嫉妬心は同じ程度の階級間で顕著、かつ、地位の高い人ほど嫉妬深い。

"個人は自分の持っているものから喜びを引き出す代わりに、他人が持っているものから苦しみを引き出す。"ラッセル幸福論"
社会制度の変革よりも心情の改正が必要か?

調べること
モーツァルトとフランス革命
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