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アマデウスのnossaのネタバレレビュー・内容・結末

アマデウス(1984年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

妻がオーケストラを題材にしたTVドラマを観ていたので、クラシック繋がりで約40年ぶりに鑑賞。
最初に観たときは、まだ10代だったが、何て残酷な映画だろうと戦慄した。根拠のない自信に満ちていた、あの頃。自分が何者かに成れると信じていたのに、自分は凡庸な人間側なのかもしれないと恐怖した。おそらく圧倒的大多数の人間は凡庸であるのに、自分もそうだと認めたくなかったのだろう。
40年の時を経て再見してみたら、かつて感じた恐怖はなかった。社会に出てみて、やはり自分は凡庸な側の人間であることを思い知るのだが、それが不幸な訳では無いと知ったから。特別な人も凡庸なる人も、それぞれの人生を生きているのだ。かつて残酷に感じたサリエリのラストのセリフ「赦す」が、少し救いに感じられた。
映像、音楽、演技、全てが脳裏に焼き付く美しさ、素晴らしさで、その印象は今回も変わらなかった。時代を超える傑作だと思う。
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