FumiKawaguchi

アマデウスのFumiKawaguchiのネタバレレビュー・内容・結末

アマデウス(1984年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れた「モーツァルト」の人生を描いた作品。モーツァルトの死には、いろんな説があるが、この作品はサリエリが「モーツァルトを殺したのは自分だ」と言い、自責の念に苛まれながら、自殺未遂をはかるシーンから始まる。そして運ばれた精神科の病院で、昔を回想していくのだ。この作品を観るのは2回目。1回目は、中学生の時だった。その頃は、モーツァルトの音楽の真の良さも分からずに観た気がする。そして大学生の時に、ザルツブルグへ行き彼の生家を訪ねウィーンにて、無縁墓地に埋葬されてしまったために「空(から)」の棺がおさめてある、モーツァルトの墓に行く。彼が結婚式を挙げた数年後に、彼の葬儀をとり行ったというシュテファン教会も訪ね、その後あの街で彼のオペラを観た。時代を重ね、私も音楽で生きる人間となった。そして今、この映画を観返してみた。モーツァルトの音楽は完璧である。彼は天才以外の何者でもない。小さい頃からずっと、父と一緒に演奏をして回っていた彼は結局大人になりきれぬまま、父の影に怯えることになる。天真爛漫な彼の姿。世間で言えば、いわゆる「変わり者」。いつの時代も、音楽の真髄を行く者は「変わり者」扱いされる。彼もまた、生まれた時代が早すぎただけなのだ。もし彼がもっと長く生き、もっと多くの作品を残していたら…。もし彼が、今の時代の人間であり、作曲をしていたら…。…本当に、彼の死は早すぎたと思う。ちなみにこの映画では、サリエリが彼を精神的に追い詰めたが、実際の歴史では、サリエリがモーツァルトを殺したと…いうのは何の根拠もない話である…という説の方が有力らしい。
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