ユカリーヌ

トークバック 沈黙を破る女たちのユカリーヌのレビュー・感想・評価

4.0
【過去に観た映画】2014.11.22

サンフランシスコが舞台の
元受刑者とHIV陽性者が自分たちの人生を芝居にした、
女たちのアマチュア劇団。

彼女たちの劇団を追い、社会に挑む女たちに光をあてた群像ドキュメンタリー。

日本ではまずこういのはできないだろうという迫力。

「劇団」というカタチの中、ダンスや演じることで、女たちは、解放されていく。
ふつうの演劇セラピーとは違い、とても激しく、女たちが自身が変わっていく。

各々がいろいろな傷や罪、病を抱え、生い立ちや社会からの風の中で、自分を見つめなおしていく姿が勇ましい。

アマチュア劇団「メデア・プロジェクト」の名前の由来はギリシャ悲劇の王女メデアからとったと語る主宰ローデッサは語っていた。


上映後、スクリーンの前で坂上香監督の挨拶と会場からの声を聴く。
正にこの映画のタイトルにあるように「対話」をすることを監督は望まれていた。

舞台挨拶後ソレイユカフェにて、トーク。
今、正に映画を観終えた女性たちと監督でのお話。

やはり問題意識を持った方も多く、とても濃いお話が聴けた。

実際にHIV患者に携わる方、
ボランティアに関わる方、自身が病と戦っている方、障害を持ったご家族を支えている方。

この映画のように、生々しい悩みや想いと共に人生を生きる方たちはこの映画で「自分たちだけが悩んでいるんじゃない」とも感じ取り、どこかで何かを吐き出す場所があることをうれしく思ったりと。

私も映画製作に関わる身、
監督に「なぜ、ドキュメンタリーというカタチ」で映画を撮られたのかを聴かせていただいた。
本当に伝えたいことをカタチにするという原点を感じられた。
ユカリーヌ

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