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神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃のodyssのレビュー・感想・評価

3.5
【もしもイスラム側が勝っていたら】

オスマン帝国対キリスト教連合軍。
昔だったらこういう映画はキリスト教側が絶対の善、イスラム帝国は絶対の悪、というふうに描いたんでしょうけれど、さすがに昨今の情勢ではそういう映画は作れない。
だから、この映画ではイスラム側の事情もそれなりに手をかけて映像化しています。家族関係も含めて。

他方、ウィーン側はいかにものんびりしていて、危機感なし。皇帝とか、伝統にこだわる貴族だとかは、やはり浮き世離れしていた、ってことなんですかね。音楽のシーンなど、同時の宮廷のみやびやかな文化が見て取れます。

でもこの映画の最大の見どころは、やはり戦闘シーンでしょう。結構迫力あるしね。

史実に合わない部分もあるらしいけど、細かいところにケチをつけずに、娯楽映画として楽しむのが正解。

歴史にifはないと言いますが、しかし、もしこの戦争でイスラム側が勝っていたら、歴史は大きく変わったでしょうね。18・19世紀のヨーロッパ帝国主義だってなかったでしょう。代わりにイスラム帝国主義が日本にも押し寄せていた可能性はありそうですけど。
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