チッコーネ

トップスターのチッコーネのレビュー・感想・評価

トップスター(2013年製作の映画)
3.0
パク・チュンフンの監督作。
彼に当てはまる「なんでこんな地味な人が、トップ俳優だったの」という前提は、本作に充分反映されている。

下世話に終始する危険を孕んだ内幕もので、テレビドラマ的な撮影/照明/舞台美術の場面も多い。
しかしデティールには内実をよく知る者の経験や視点が活かされており、寒々しい荒廃は迫力、説得力ともに充分。
カタストロフィ寸前のクラブ場面には、欧米映画風の明滅編集も登場してきた。
直接的性描写がほとんどないのは意外だが、主演のオム・テウン本人が後年のスキャンダルで消えかかっていたりするのは皮肉すぎて、笑うしかない。

冒頭は青龍映画祭会場、という設定で長寿司会のキム・ヘスらがカメオ。
また終盤には、アン・ソンギも客演。
持論を振りかざす先輩俳優のキャラクターはかなり異様なので、モデルがいるのだろう。
またイ・チャンドンかキム・ギドクか、はたまたホン・サンスを彷彿とさせるような監督キャラも、登場する。