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ヴィオレッタのkevinのレビュー・感想・評価

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)
3.5
売れない画家のアンナを母親に持つヴィオレッタ。母はあまり家には帰らず、曾祖母と一緒に普通の12歳の女の子として暮らしていた。
ある日、ヴィオレッタはアンナが貰ってきたカメラのモデルとなり、写真は世間の注目を浴びていく…。


R15ということなんですが、そこまで過激な描写はありません。日本ではレイティングに引っ掛かって劇場公開が危ぶまれるところだったらしいですが。
監督自身の実話がベースってお話で、画、というかヴィオレッタの美しさがかなり目を惹きます。
ヴィオレッタ役のアナマリアちゃんがメチャメチャ麗しいです。それだけで観てられるレベル。
2011年公開でアナマリアちゃんが1999年生まれらしいので…マジで12歳でこれ?!と顎が外れそうになります。周りの子役とは明らかに違いすぎる…。
ヴィオレッタみたいにはならず、すくすくと成長してほしいですね。

普通の少女が急に大人の世界に足を踏み入れることになってしまい、幼くして人生が狂っていく。母親の愛情が異常なのが要因なのですが、母親自身も問題ある過去がある…という何とも複雑な心境になる映画。
段々と擦れていくヴィオレッタの姿が痛々しい。ラストシーンのヴィオレッタには愛情のある言葉はもう届かないような、そんな予感がしました。

アンナは母親としては失格、しかし芸術家としては当然のような行動で、普通に考えたら最低な人間なのですが、気持ちはわからなくもないような。
そもそも普通って何なんだ…?と頭の中をモヤモヤがぐるぐるしてます。


映画の後に実際に撮られたエヴァ・イオネスコの写真を見てみました。
美しいアートではあるんですが、どこか狂気があって怖い。
美しいって同時に怖いものだ…と僕でも柄にもなく感じるのだから、世間での反響は様々だったでしょう。
そんな中に身をおけば、自身が狂うのも当然。

世間一般での普通の人間でありたいならば劇中の言葉の通り「超えてはならない一線がある」。
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