数年前友人に勧められたものの、あらすじを読んでなんとなく合わない気がして観ていなかったが、意外や意外、とても良かった。
母アンナは常識でははかりようもないし、彼女の行動は現在でいう虐待に相当する。けれど、アンナがそのまま突き進んでしまう気持ちも、それを自覚できないことも、なんとなく分かる気がしてしまう。こういう人は、誰がなんと言おうともうどうしようもない。変えられない。
印象深いのは裁判沙汰になってもなお、写真を取り続けようとする母に対し、ヴィオレッタが獣のように叫びながら反抗するシーン。けむくじゃらになりたい、頭がおかしくなりそうになりながら必死で理性を取り戻そうとする姿に胸が痛んだ。
ただ唯一の救いは、中盤ヴィオレッタ自身がその異常事態に気づけたことかな。子供が母親に反抗して、逃げることすら自体、とても難しいから。