イチロヲ

妻たちの性体験 夫の眼の前で、今・・・のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
殺人事件の犯人に仕立てられた実業家(宇南山宏)が、保身のために自分の妻(風祭ゆき)を犯罪者集団に捧げてしまう。巻き込まれ型サスペンスとリベンジ劇を描いている、日活ロマンポルノ。

実業家夫人の風祭ゆきが「女のしたたかさ」を武器にした、ファム・ファタールの立ち位置となる。愛憎を表面に出さず、ニコニコと笑顔を振りまきながら、心の奥底で怒りを滾らせる。この人物描写が、とにかく素晴らしい。

ネタバレが許されないレベルのどんでん返しが含まれており、そのミスリード狙いと心理描写が破綻寸前の状態で走りまくるため、予断を許さない鑑賞を強いられる。良くも悪くも、風祭ゆきのキャラクターに魅入っている余裕がない。

容姿端麗な女性をパートナーにしたとき、そのパートナーから陰惨な復讐を受けたとき。その双方における天国と地獄(地獄もまた天国か?)を享受することができる逸品。散漫な内容ながら、個人的には高評価を与えたい。
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