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紙の月のKBのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
4.0
宮沢りえが綺麗すぎる映画。ハラハラするストーリー展開も好き。3回くらい観た。

平凡な主婦の銀行員、契約社員が、横領に手を染めていく話…。泥沼にハマってく展開が恐ろしすぎて、「やばいよ、そこらへんで止めときなよ」って思いながら観てたなぁ。いつバレちゃうんだ〜ってドキドキさせられるのがこの作品の面白さ。

最終的には詐欺師みたいになっていってて、もうダメだ終わりだって思ってたら、窓ガラスのシーン。気持ちよかったですね〜。

ごくごく真面目な女性、一般的な共働きの妻だし、上司からも気に入られてるように見えるんだけど、世間的な「幸せ」みたいなものを手に入れても彼女の心は満たされてなかったんだよね。欲求不満というか、もっと広い世界に出たいというか。

彼女にとって銀行や家庭、日本という国は狭すぎた。お金を横領することで、何かに縛られていた、閉塞感の中にいた自分を解き放ちたい。そういう気持ちがあったんじゃないかなぁ。

吉田大八監督はCMに精通してるということもあって、各シーンの心情描写がすごく映像として綺麗だな、ドラマティックだなと思います。そして、宮沢りえ、大島優子が銀行員女子の役でいい味出してます。
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