てくのすけ

紙の月のてくのすけのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
4.0
お金の話だけどその奥にあるものの描き方が凄い。偽物と分かっていてもそれにより繋がる喜び、共感は出来ないのに積み重ねにより理解は出来てしまう故の解放感。ありがちだという言葉を免罪符として活き活きと変わっていく宮沢りえの輝き。台詞や音楽の使い方もイイ。

大人しい地味な女性かと思いきやどんどん行動力を発揮していく宮沢りえはエロさも含めて素晴らしい。そして地獄の監査マシーン、小林ジャスティス聡美の狙った獲物は逃がさない感の凄味。二人が対峙するクライマックスはスリリングで壮絶。観終わったあとの余韻を噛み締めてしまいます。

キャスティングがドンピシャなんですよ。分かってない旦那の田辺誠一、出てくるだけでエロジジイな石橋蓮司、あけすけで小悪魔な大島優子(可愛い)、軽薄さと真面目さが混在する池松壮亮。そんな彼らが終盤見せるのは、偽物と決めつけていた梨花には分からなかった本当の顔なのでした。
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