その昔、宮沢りえちゃんが「サンタフェ」というヌード写真集を発売した時、ウチの実家の隣がそこそこ業界に顔がきく書店だったのをいい事に、30冊仕入れて高値をつけて売り捌き、多趣味な大学生ではなかなか手の出ない当時20万くらいしたキヤノンのNew F-1というカメラをキャッシュで買った僕としては、今でも宮沢りえちゃんを見ると目がドルマークになるわけでしてね。
そんな宮沢りえちゃんを久しぶりに見たなと思ったら横領に励む銀行員を演じてるというのは不思議な縁を感じます(無理矢理)
なんて事を考えながら観始めたんですけども、なんというか彼女が演じる主人公にとても魅力を感じるというか、多分今の彼女の写真集なら手元に一冊ぐらい残しておこうかと思うぐらいの、ある種の素朴な妖艶さみたいなのがあってなかなか良かったなと。
どちらかというと真面目な女性が、一歩を踏み外したが故に、済し崩しに大胆になっていく様は、4000円ぐらいの写真集に3000円上乗せしてただけの僕が調子に乗って、最後の一冊はどこぞやのキャバクラの店長に3万円で売ったのと完全にシンクロします(無理矢理アゲイン)
シーン構成はおとなしめながらも飽きさせず、宮沢りえちゃんと小林聡美さんの攻守が度々逆転するような掛け合いも興味深く、ラストも「一見、非現実的ながら有り得なくもない」感じの、邦画ではあまりお目にかからない展開で、思っていたより面白かったのではないかと。
しかし紙の月とはこれまた深いメタファーなタイトルですね。色々と。