頭の良い人は、下らない話をいかに｢高次的に語ることができるか？｣という知的欲求からくる遊びをしがちだと思うのだけど、この映画はまさにそんな感じだ。
セリグマンの、猥談を理性的かつ強引に変換する能力に、ジョーは呆れつつも、能力の限界を試すようにどこか楽しんでいる節がある。ソフトSMっぽい。
彼のうんちくに準じて、逐一挿入される映像表現の執拗さがあざとくて面白い。
(アニメの物語シリーズの会話劇みたいな奇抜さ)
例のオチを隅に置いていいなら、彼の蛇足が、彼女が自身を物語ることで｢ニンフォマニアック｣という存在として縛られようとするのを、必死に｢君はそうではない｣と呼びかけるヒーローのような、そんな格好よさを感じる(格好よくない？)
