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グレート・ビューティー/追憶のローマのbennoのレビュー・感想・評価

4.3
パオロ・ソレンティーノ監督作品…初鑑賞です…。

冒頭…セリーヌの『夜の果てへの旅』の一節から始まります…フランソワ・オゾンの『危険なプロット』にも出てきた"呪われた作家"セリーヌの自伝的小説…巧妙な使われ方だったのを思い出します…。


ジャニコロの丘の泉…静寂の中、美しいミサの歌が流れうっとり…すると突然、悲鳴と共に俗っぽいトランスミュージック…古代の建造物とパーティでの最新ファッションの混在…ローマの静と動との対比シークエンスが絶妙…。


65歳の作家…ジェップ・ガンバルデッラ(トニ・セルヴィッロ)…高級スーツに身を包み、夜な夜なパーティ三昧…憎らしいほど絵になる悪オジです…醸し出す色気もプンプン…。

今作はローマの名所…真実の口、ナヴォーナ広場、サン・ピエトロ大聖堂…そしてジェップの高級アパートから見えるコロッセオ…ロケーションの素晴らしさもさることながら…映像美と音楽の融合に溜め息の連続!! …ずっと眺めていたい…!!

表面上はセレブリティのように振る舞うジェップですが、彼は内に秘めた虚無感を拭えずにいました…。

また反面、冷静な作家の魂も持ち合わせ、人の本質を鋭く見抜きます…と同時に自分が俗物であることを自認…虚勢を張る芸術家たちには時に辛辣な言葉を投げかけてしまいます…。

そして…初恋の相手の死をキッカケに彼の心の奥底に眠っていた静かで穏やかな記憶を呼び覚ますのです…。

生と死、老いと若さ、愛と孤独…素敵なローマの街を背景に65歳の悪オジが彷徨います…。

大きなクマのぬいぐるみ、キリン、鳥の大群、抽象画を描く少女、そして104歳の修道女…日常の中に忽然と忍び込む突飛なシーン…どことなく洗練されたフェリーニのよう…。

好きな作家の名前も出てきて興味深いですが…哲学的な会話も多く、ちょっぴり大人な作品…何年か後に観たら感じ方も変わりそう…。

取り敢えずブルトンの名前が出てきたので…そう言えば『ナジャ』が積読〰︎読みます꩜ …。

あっ!! 大好きな女優さんのひとり…ファニー・アルダンが一瞬、本人役で出ていてビックリ*Ꙩꙻ₀Ꙩꙻ)!嬉しかったです…ෆ*

エンドロール、長回しの河沿いの風景もまるで絵葉書のような美しさ…(ღ˘◡˘ற)‧⁺⁎ウットリ♡


thanks to ; カイメイた〰︎ん ꕀ 𖠳 ᐝ
Margauxを飲みながら観たい作品でした〰︎頂戴🍷
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