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グレート・ビューティー/追憶のローマのmのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

イタリアの有閑階級の悲喜劇を描いた本作には、バロック的な優雅さと没入感のある作風も含め、あのフェリーニが現代に蘇ったかのような感覚を覚える。巨匠の名を引き合いに出す事は、この優れた現代作家に対して不適切な行為かもしれないが、、。

最早、演出の狙いなどないように見える過剰なカメラワーク(急降下やズーム)や編集のあいだに、愉快で、美しい間奏曲が交互に挟まれてゆく。

また、キアロスクーロ風の光に照らされた礼拝堂で中世ローマ・カトリック音楽が響き渡る中、肌に深い皺を刻みながら乾いた表情を浮かべるシスター・マリアが登場する場面は、まさに壮大なメランコリアの大号令であり、これ以降の"大袈裟さ"に対する愛憎が、本作の評価の分かれ目だと思う。
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