サン

グレート・ビューティー/追憶のローマのサンのレビュー・感想・評価

3.9
詩的な映画。人生下り坂の楽しみ方はいかに。
老後の気持ちをここまで想像させられる映画はこれまでなかった
ローマの風景はもちろん、音楽も美しい

はじめのガイドさん日本語でナビしてるのに驚き。きれいな泉だ
ジャップの誕生祭のパーティのくだり長いね、ちょっとうんざりしかけたけど、その誕生祭から離人感が感じとれるカットがある。パーティから一歩引いてみた時のゾワっとした感覚があった

この映画はハッとさせられる言葉がたくさん出てくる。

「旅は有益だ 想像力を誘う
あとは幻滅と疲労のみ
これは架空の旅
それが強みだ
生から死 人間 獣 町 もの
すべて見せかけ
つまり小説 作り話
辞書にもそうある
しかも目を瞑れば誰でもできる
そこは人生の彼岸」
L・F・セリーヌ
「夜の果ての旅」

「若い頃私の友達は口を揃えてこんな風に答えたものである、頭の軽い女。一方私の答えはというと、年寄りの家の匂いだった。この時の質問は人生で1番好きなものは何か?だった」
「私は感受性を授けられていて、後に作家になる運命で、ジェップ・ガンバルデッラになる定めだったのだ」
「65歳を迎えて数日後確固たる事実を発見した
もはや望まぬ行為に費やす時間はないのだ」
「ローマにやってきた時、私は26歳だったが、かなりの早さで、ほぼそれと気づかぬまま俗世の渦というべきものに飲み込まれた。とはいえ私はただの俗物に甘んじる気はなかった」
これでもまだかなり序盤の言葉しか書き留めれていない

後半にある
元恋人が亡くなった知らせを受けるくだりが1番深く感じ入った
友人がローマを離れる場面も印象的だ

ジェップ、the 1975のマーシュヒーリーと同じ髪型。いい歳のとり方だよな
低身長症の女編集長もいいキャラしてる

また数年後みたい
サン

サン