次回作を楽しみにしている現役監督のひとりはパオロ・ソレンティーノ。
現代のフェリーニと言われているが、その流麗なカメラワークから煽情的なショットまで、映像の魔術師とはこのことだと唸らざるを得ない。
劇場で限りなく艶のあるオペラを観たような満足感があった。
夜のローマの街は、実に美しい。
老境を迎えた作家を演じたトニ・セルヴィッロの退廃的な色気も素晴らしい。
毎夜、繰り広げられるパーティに顔を出しては美しい女性や酒に酔い、たわいもない会話に明け暮れる中、空虚を感じさせられる一連のシーンは、フェリーニの「甘い生活」「8 1/2」を彷彿とさせる。
ソレンティーノの陶酔的映像世界に半ば、飽きれつつ、半ば、憧れつつ、浸りつくした141分✨