ロアー

新約聖書 ~イエスと二人のマリア~のロアーのレビュー・感想・評価

3.6
突然ですが、アンドレ―アス・ピーチュマンを布教しようのコーナーです。

本作はタイトル通り、新約聖書を題材にした二部構成の作品です。
テレビ映画なのでクオリティ低いかと思ってたら、中々の一大スペクタクルでした(大河ドラマみたいな感じ)。イエスの誕生から復活までのストーリーを描きつつも、主役は母マリアとマグダラのマリアなので、陰謀が渦巻く人間ドラマになってて観やすい&面白い映画でした。

観終わって真っ先に思った感想は、ママって大変・・・
「処女懐胎だ~すごいぞ~!」って、やっぱりすぐには納得してもらえないですよね。婚約者から当然浮気を疑われ、妊娠中から大変なマリアちゃん。迷子になった子ども時代のイエスを必死に探して見つけるも「何で探したの?パパの家(教会)にいるに決まってるじゃん」とか言われるし、大人になってからも大勢の前で「その女は母ではありません」とか言われちゃうし「もうすぐ殺されるけど生き返るから大丈夫」とか予告してくるし、人間ドラマとして聖書を観るとママの心労きつ過ぎです。それでも純真な心を保ったまま、イエスを産んで育てて傍に寄り添って支えたマリアちゃん。真に崇拝すべきは聖母マリアのような気がしてきます。
この映画、最後に「全ての母に捧ぐ」って言葉が出てくるんですが、ホンそれです。

そんなマリアちゃんに対応して描かれてるのがもう1人の主役、マグダラのマリアさん。マリアちゃんが清純な感じならば、マリアさんはちょっとセクシー路線。演じるパス・ベガさんも美人で好き♥
マリアさんも根はいい人なのに、周囲の陰謀に振り回されて裏切りを繰り返して悲運な人でした(真の悪女はヘロデアだよね)
マリアちゃんとはまた違った苦労を観てきたので、悔い改めてからのマリアさんの献身がめちゃ分かりみ。この映画で1番好きだったのがマリアさんでした。

そして最後にお目当てのアンドレ―アス。
成長したイエスの役なので後編までほぼ出てこずです。
整った顔立ちしてるので、いでたちが美しい・・・常に落ち着いていて、謎めいた雰囲気で優しく話すので観ていてほわっとした気分になるんですが、言ってることは前述の母マリアちゃんへのそれなので、もっと言い方!ってなりますwwただ、イエスもママのことは大好きなので、ママのお願いは聞いてあげちゃうところが良きでした。
肝心?のイエスの伝道の旅はほぼすっ飛ばして、いつの間にか信者増えてあっと言う間に裏切られて磔にされてるので、本気でこの映画の主役は2人のマリアでした。こういう宗教映画って珍しいと思うし聖書の話と聞いて思い描く以上にドラマチックだったので結構オススメだったりします。
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