まさかのノワール。
冒頭は90年代のインデペンデントというか、平べったい世界の中に不意に理不尽な暴力が表出する作品群の系譜なのかと思っていたけれど、話が進むにつれてどんどん濱口竜介作品になっていった…
濱口竜介にしては結構評価が分かれている印象。コメディ要素が少なく、特に感動もしない。男娼をしている青年に翻弄されすぎて、観終わった後は呆れたに近い感情を抱いていた。リアリティのある世界観に非現実的な…
>>続きを読むこの映画で何よりもまずわたしたちに鮮烈な印象を残すのは、単に容姿の美しさには還元できないカメラに愛される顔立ちをした石田法嗣の佇まいである。キム・ミンジュンだけでなく、石田法嗣の存在も男娼の物語を信…
>>続きを読む新文芸坐にて
濱口作品を何作か観て感じたのは、リアリティを追求しながら独自の世界観(ファンタジー)を作ることのできる数少ない作家だと思う。
この映画には様々な「境界」が記号的に散りばめられており、…
このレビューはネタバレを含みます
男娼リュウと人々。
カメラマンだけはプロとして、モデルとしてのリュウに惹かれていたはずが。
最後は「他の人と同じ」になるかどうかの境で揺れ、築いてきた日常を選ぶ。自分で自分の気持ちに気づいて驚いてい…