豚肉丸

劇場版 テレクラキャノンボール2013の豚肉丸のレビュー・感想・評価

5.0
男達が街中の女達をナンパしてセックスをしポイントを稼ぎ、そのポイントを競い合うお話

先に番外編のようなアイドルキャノンボールを見ていたため、ある程度どんなゲームかは知っていたが、やはりアイドルキャノンボールはまだまだ普通だったと思わざるを得ない。まさにテレクラキャノンボールこそが王道であり、尚且つ滅茶苦茶面白い競技であることを思い知らされた。

映画用に編集されており、前半のレース部分は殆どカットされている。映されるのは残り二日のセックスレース部分だけ。これだけで二時間も持つのか心配になったが、見ていると長さも感じずあっという間に二時間が過ぎていた。
この映画の中心となるのは、撮った映像を全員で鑑賞してポイントを加算するパート。このパートが映画の半分以上を占めているのだが、ここに人間模様と人間の情熱が詰まっていて本当に驚いた。
報酬も含めて本当にくだらない大会なはずなのに、本人達は至って真剣。優勝のためだったら飲尿はするし食糞もする。何が男達をそこまで動かしているのかはわからないが、実際鑑賞中は自分も熱心に見入っていたし、何らかの不思議な力がこの競技に込められているのだろう...多分。

男達も女達も、セックスしかしていないはずなのに確かにそこにはそれぞれの人生が込められていた。特に10代の二人の女子の場面が凄い。物事を楽観視しているように見えるが「死にたい」と唱え続けており、彼女の背景も散々で...という、バクシーシ山下さんとのスリーショットも相まって一番印象に残る人であった。
あと、「自分達のセックスを見てほしい」カップルは面白かったしその後の変則的3Pには大爆笑した。馬鹿すぎる。

人間はおしっこを飲んだ人間と飲んでいない人間、それか、うんこを食べた人間と食べていない人間に分けられる。一見すると馬鹿みたいな言葉にしか聞こえないが、この映画を見た上で聞くと何故か説得力が増して良い言葉のように思える。
うんこを食べたくはないが、何故か元気づけられる良い映画だった。帰りのフェリーの不思議な後味も相まって、良い映画を見た気分。内容としては最悪なんだけど。
豚肉丸

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