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カラスの飼育のmilagrosのレビュー・感想・評価

カラスの飼育(1975年製作の映画)
4.5
あまりにも悲しく、残酷で、優しい映画。アナ・トレント演じる少女の無垢で切実な願いがスクリーンに現れるとき、どうしても泣いてしまう。それでも悲観的になりすぎることはない。por qué te vas の唄の清涼さ、開けたラストの彼女たちからは、懐かしさや記憶を越えて前に進む、確かな力強さを感じた。

ビクトル・エリセが好きな人には、是非観てほしい。肌触りは違えど、サウラもエリセも、スペインのあの時代に生きた無数の家族の、少女たちの、喪失と再生を、これでもかと願いを込めて撮っているから。
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