Jeffrey

サロメの季節のJeffreyのレビュー・感想・評価

サロメの季節(1984年製作の映画)
3.0
「サロメの季節」

冒頭、南仏コート・ダジュール。父親の友人との情事で妊娠したクリス。愛、カジノ、不道徳、妊娠、ジゴロ、ドイツ人婦人、挑発、ボートへの招待、嫉妬、別れの口実、月夜の海、行方不明、紹介。今、愛と同時に憎しみを抱く女と男の物語が始まる…本作はクリストファー・フランクが監督、脚本を務めた1984年のフランス映画で、この度DVDを購入して初鑑賞した。どうやらオスカー・ワイルドの"サロメ"を下敷きに南仏コート・ダジュールを舞台にしたバカンス映画だ。

さて、物語は南フランスコートダジュールで父親の友人とのジョージで妊娠したクリスは性に対して屈折した想いを、抱くようになる。現れる男の心を弄び、最終的には〇〇する。ギリシア人ジゴロのロマンだけは彼女に翻弄されなかったが、自分を無視して自らの母親に近寄る彼に対し愛と同時に憎しみを感じ始め、ついに悲劇的な事柄が起きる。鬱屈した思いを抱える18歳の美少女が踏み込んだ甘味で危険な性の領域は一線を越えてはならなかったが、超えてしまった彼女の物語である。




本作は冒頭から印象的である。まず力強いフレンチポップの音楽が流れ、カメラは海中を映す。そしてビーチの描写、裸でドリンクを頼もうとする女性、砂浜に寝転ぶ女たち、女性の股に頭をのせて寛ぐサングラスをかけた男性、海に入り泳ぐ女、ナンパ、食事、会話…と様々な人物がフレームの中で動き回る。

続いて、溺れそうになった子供を助けようとしてクラゲに刺されてしまう娘、それを心配そうに介護する母の姿。だが、平気のようでトロピカルジュースを飲んで満喫する。カメラはホテルの一室を映す。親子はホテル内にあるカジノに行き、お酒を飲み、タバコを吸い、男性と出会い、ひとときを過ごす。そこへ白いスーツを着た男性が現れる。彼は女性(母)とフロアで踊る。

続いて、車内の中でビックと言う男と一瞬キスをしてしまう娘、それを内緒にしてほしいと公衆電話で娘と話す。そして4人でレストランでディナーをとる。そしてビックは未成年の娘とベッドの上でいちゃつき始めるが、娘がダメよと言いベッドから起き上がる。だが、2人は何度か会い女は裸になり男はその体に触れる。

そうした関係が続く中、母親は母親で違う男性との駆け引きがある。そして奇妙な関係で浜辺や、街で買い物等をしながらバカンスを楽しむ親子。そしてその男が母親に夢中になっていることを気に食わない娘が色仕掛けをしていく…と簡単に説明するとこんな感じで、脇役に有名どころの作品を経験している演技派を固めていて見ごたえはある。

この映画面白いところは1人の美女を愛さなかったがために男に悲劇が起きると言うテ内容だ。作品のポイントの1つには海の寒天と言われているクラゲがいる。このクラゲがこの作品の全てのキーポイントでありキーパーソンなのである。なぜなら本来のタイトルが"クラゲの年"であるからだ。改名されてしまった邦題は"サロメの季節"となっているが全くもって違う。

正直、主人公の女性とゆうか女優よりかは母親役のカロリーヌ・セリエのフェミニンあふれる魅力の方がたまらなかった。



ヴァレリー・カプリスキーが美しいヌードを披露していて18歳の小悪魔を演じているだけでこの映画は見て損なし(個人の意見です)。説明文にも載っているから絶対そうだと思うが、コートダジュールの風景が本当に美しい、風光明媚とはこのことを言うのだろう。 4人が海が見えるテラス席で食事をとるシーンだけでも綺麗だし、おっぱいを見せながらビキニ姿で浜辺でくつろぐ親子の裸体を捉えたショットや平和な休暇を捉えられていて素晴らしい。


それにしたって男(ジゴロ)が娘に船の上で言い放つ言葉一つ一つがあまりにひどくてびっくりする。それを静かに聞く娘のこわばった表情が印象的だ。そして狂ったかのように裸になり、踊り狂い、男を海に〇〇する場面は強烈。冒頭に流れる強烈なフレンチポップがまた流れるのも印象的。
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