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フライト・ゲームのqpのレビュー・感想・評価

フライト・ゲーム(2014年製作の映画)
4.5
 航空保安官のビルは一般客を装って、飛行機内を警備しています。お金を指定の口座に入れないと機内の人を殺すという脅迫メールが突然入り、犯人を捜そうとするが、という話です。

 飛行機は密室で連絡手段はメールですので、機内の人の手の動きを見ていればすぐに犯人は分かると思いました。だから、最後までどうストーリーを繋げるか気になりました。

 あっさり最初に犯人がわかりますが、犯人のメールでの予告に納得してしまいました。犯人はかなりの頭脳犯でビルの性格を分かっているし、映画の方向性を類推できます。犯人の思惑通りに話が進むのが気持ち悪いし、ビルはやり方が強引で短絡的で感情的になりすぎていて、保安官というポジションに観ている側も疑問も感じます。

 思わぬ人が死んでいきますが、飛行機の中の人は全員怪しいです。逆に、飛行機の関係者はビルに協力的ですし、乗客は結束したり、ビルが銃を落としたり、奪われたりしても大ごとにならないなど、この飛行機の中に犯人はいないのかと思えるくらい、連帯感も出てきます。

 ただ、テレビで自分が乗っている飛行機のニュースがタイミングよく放送されることがあるだろうかと疑問に思いました。飛行機の中と外の情報をつなげている人が犯人ではと考えました。

 犯人は意外でした。観直しても絶対に分かりませんので、映画的なトリックというより、現実的な結果という印象を抱きました。ビルたちのことをどうやって調べたのかが気になりました。トリックはなく自暴自棄な人が恐ろしいです。

 作中では全員が疑わしく見える中で、ビルと信頼関係がある人が貴重な存在でした。こういう緊急時に信頼関係が試されるので、自身の普段の行いに反省です。

 最後、色々細かい点は気になりましたが、観ていてドキドキ、ハラハラはできたので、娯楽作品としてよかったです。

  正直、実際の航空保安官が気になりました。銃を誰かに奪われたら、ハイジャック犯が航空保安官になっていたらと想像すると、セキュリティの課題があります。実際の対策方法が気になりました。
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