Donatello

誘拐の掟のDonatelloのレビュー・感想・評価

誘拐の掟(2014年製作の映画)
4.0
「殺したら、殺す」とか物騒な日本の配給会社のコピーにすっかり騙されましたが、どっかで聞いた話だなーと思いながら観始めて気付きました。
ローレンス・ブロック著「マット・スカダーシリーズ」の「獣たちの墓」だったっていう。原題までは覚えとらんがな。
しかも邦題『誘拐の掟』ってなんだよと。

SFとスパイものの次にハードボイルドもの好きなんで20年くらい前にこのシリーズ読んでたんですけどね。
その頃だと映画化するならマット役はハリソン・フォードさんとかジェフ・ブリッジスさんとかを想像してましてね、でもどれも違うなと。ダニエル・デイ・ルイスさんが頭をよぎったりするも(当時は)「いや、若いな」と。

んで20年の時を経て、リーアム兄さんこれやった訳ですよ。
感慨深い。

そして出来てきたコレ狂おしいまでのハードボイルドですわ。原作はそこそこ名作だと思うんですが、兄さんの雰囲気ガチですやん。完全にマットですわ。
うっかりバンバン撃ち始めるんじゃないかという不安(とある種の期待)を裏切っての渋い感じ。
大体酔っ払ってる感じの主人公なんで『フライト・ゲーム』と何が違うんだというツッコミ入れそうになりますが、しょうがないですもう。
最悪、航空保安官が非番の時は探偵です、とかいう脳内設定にしておけばいいです。

残念なのは、僕の記憶が間違ってなければ、原作とされてる「獣たちの墓」以外のスカダーシリーズの設定が絶妙に練りこまれていて、ダイジェスト版的な感じになってることですかね。
「あぁシリーズにする気は無いんだな」と。

例のシリーズも終わってしまい、アクションものはあと数本で卒業という兄さんですが、特に激走したり、車で体当たりしたり、吊るされたままから足で絞め殺したり、守るべき娘もいない役なんで、出来れば続けて頂きたいなと思う当り役だと思いますよええ。
Donatello

Donatello