車を盗られたガイ・ピアースさんが盗んだ犯人を執拗に追い回すだけの映画なんですけどもね。
これがまた素晴らしいしつこさで。
どれくらいしつこいかって『ヒッチャー』のルトガー・ハウアーさんぐらいしつこい。
舞台がオーストラリアだけに、オンボロセダンをV8インターセプターに置き換えれば、そのまま元祖『マッド・マックス』にも通じる世界観。
現代風に置き換えれば『ジョン・ウィック』さながらの執念。
今や押しも押されもせぬイケメンスターのロバート・パティソン君や、個人的に割と贔屓目で見てしまうスクート・マクネイリー君など脇を固める俳優もなかなかの素晴らしい配役。
淡々としているけども、要所で煽ってくる感じは嫌いではありません。
寧ろ好きです。
無秩序で弱肉強食な世界がそこにはあって、男が通り過ぎたら死体が転がっていく感じもなかなかエグくて宜しいですね。
こういう展開の映画では、本質的な理由や目的を有耶無耶にしたままエンドロールを迎えるものも珍しくないですが、最後にしっかり描ききって、且つ不条理な感じが漂ってるあたりタランティーノさんが褒めたのも理解できます。
それが主人公の人間性を押しとどめていたただ唯一のものと考えるとなかなか深いなと。
しかしながら「眠い時に観たら多分寝ただろうな」感が半端ないので、全然眠くならない時に観たりするとある意味いいかもしれません。