ケンタロー

ジョン・ウィックのケンタローのレビュー・感想・評価

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)
3.5
復讐スパイラル!無限地獄のはじまりはじまり〜! 
ド直球な復讐劇で「リベリオン」×「96時間」っていったとこだろーか?
ストーリーは捻りも驚きもない展開だけど、そこが良い! この作品の良さは小手先のドラマやサスペンスを限りなく省いたとこにあると思うなぁ。
事の発端となる愛車や愛犬だが、実際そのものへの強いこだわりや執着というものを、実はジョンはたいしてもってないんではないかと見て取れる演出もあるように感じた。

本当のとこは盛大な憂さ晴らしなんじゃないか? 
これは「96時間」の無茶な親父にも通ずるとこがある…。
事が荒れるのを承知の上でさらに炎上させてくガイキチ野郎…(笑)

自分が大切と思っているモノを奪われたことへの怒りと報復のみがジョンを生かす原動力になっているという哀しい矛盾を秘めた物語構造。

マフィアのタラソフ親子の方こそ、バカ息子であったとしても子の仇を討つ父としての存在意義を感じるが、ジョンについては亡き妻の存在を埋めるものは何も無く…(車や愛犬では埋めようと思っても埋めきれない現実…)

暴力の渦中に自身を追いやることで、死にたいという現実逃避を内在させている(でも強すぎて死なない…w)

「リベリオン」のガンカタを思わせる、銃を用いた格闘術はスピード感があり見ていて飽きない

だけど、この作品をより楽しめるようにしているのは、脇役たちの存在感だ

マーカスを演じるウィレム・デフォーはそのシワの深みがキャラの深みに感じるし(笑) ホテル支配人を演じるイアン・マクシェーンは、マッチョ系アル・パチーノかガブリエル・バーンといった感じでこれまた深みのあるオッサン。

その中でも若手として、マフィアのバカ息子ヨセフを演じる、アルフィー・アレンが良い♪ 威勢ばかりよいボンクラ息子を演じさせたら誰も敵わないんじゃないか? 目を泳がせてキョドったり、ビクつく感じが実に上手い。

正直、ゲームオブスローンズのシオンのまんまなんだが…(笑)最近好きな俳優さんで注目してる(^^)