いちみる

ブレイン・ゲームのいちみるのネタバレレビュー・内容・結末

ブレイン・ゲーム(2014年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

⚜️

🌹solace…
名詞:慰め、癒やし
動詞:慰める、苦痛を和らげる
原題と邦題全く違う。確かに、能力者同士が先を読んだり、裏をかいたりで頭脳バトル(ブレインゲーム)するけど…個人的には原題の方がしっくりくる。
🌹ジェフリー・ディーン・モーガン、ダンディーで素敵。
🌹浴槽で殺された女性の殺人現場でジョンが能力を使った時、殺された女性が複数に分かれそれぞれ別の行動をとるシーン。これは殺された女性がどんな行動をとっていたか複数パターンを思い浮かべ、殺されるまでを一度に頭の中で検証し、ふるいにかけ真実を見つけ出そうとしていたんだろうな。
チャールズが追ってくるジョンをかく乱するため複数に分かれそれぞれ別の方向に進むシーン。チャールズ、ゲーム感覚でジョンを試して遊んでだんだろうな。これはチャールズの行く先を複数のパターンから一度に頭の中で検証し、ふるいにかけ、既視感なんかも頼りにチャールズを追いかけてたんだろうな。
ある人物が複数に分かれ、同時に違う動きをする。独特な表現方法だったからすごく印象的。
🌹チャールズ生きてるんだ。能力で未来見えるけど確定じゃないんだ、想定外なことも起こせるんだ。てっきり、チャールズの予知どおりでジョンは殺人者になり、後継者になっちゃうのかなって思ってたけど。
🌹安楽死⋯ 1995年3月28日の横浜地裁の判決では間接的安楽死と積極的安楽死の2種類に分けられ、後者が厳密な意味での安楽死と伴示された。
1 耐え難い肉体的苦痛があること
2 死が避けられず、その死期が迫っていること
3 肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし他に代替手段がないこと
4 生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること
横浜地裁の判決は、1〜4の全てが満たされておれば、「積極的安楽死」と認めて、その医師に罪を科さないとしている。
これをふまえると慈悲殺≠安楽死であることが明らかだ。
🌹最初はチャールズ、人の命奪って酷いやつって思ってたけど、話進むにつれ彼は彼なりに被害者を想い考えた上で、救われない未来(命)をもつ人を救済(慈悲殺)しようと決断したんだろうな、ただの殺人じゃないから絶対的にチャールズが悪いと言えないから憎めないなと思った。能力があるなら被害者の未来を見て、もしかしたら助かるんじゃないかパターンも見つけようとしてたはず。それでも助けられない人、助けられず早めに本人が亡くなることで家族の生活に大きな影響や変化を与える人等、色々対象を絞った上で殺害してたんじゃないかな。特にジョーとか。
🌹 "究極の愛の行為はこの上なく辛い"
病と闘い苦しむ家族を見守り支えるべきか、痛みや苦しみから解放してあげるべきか…私なら本人の意見を尊重するな。余命を知った人の中にはジョーのように死の恐怖に心の底から怯えつつ、生きたいと願う人が絶対にいるはず。闘病生活を選択したならまだ家族との時間もあるし、その中で思い出や別れがきっとあると思う。
個人的にチャールズのやり方だと加害者が存在する事故死や普通の殺人となんら変わらないと思った。さよならもなしに、突然大切な人との別れが訪れる。犯人は超能力があり本人、家族が病に苦しめられるシーンを見た、だから殺したと言っても家族はそーだったんですね。病の存在を把握していない本人を苦しまないうちに殺してくれて、家族のことも考え殺してくれてありがとう…なんて言う人どれぐらいいるんだろう。感謝する人絶対少ないだろうな。いたとしてもきっと家族関係ぎすぎすしてる人達。
🌹慈悲殺、安楽死、尊厳死…難しい。
いちみる

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