TomomiMaria

ツー・マインズのTomomiMariaのレビュー・感想・評価

ツー・マインズ(2012年製作の映画)
4.2
年老いた母と暮らす統合失調症の女性ベイビーの人生の「一部分」の物語です。

冒頭で母親が急死し、ベイビーは実の姉の家で暮らし始めますが、病気のせいで、色々なことが上手くいかず、姉家族にも次第に疎まれ…

病人を哀れむというのは失礼かもしれませんが、患者ベイビーがひたすら気の毒で、切ない話でした。色々考えさせられました。
実の妹だから、大人になった姉は、なんとか幸せになって貰おうとしますが、自動的に自分の妹として生まれた存在と、自分が愛して結婚した夫や望んで生み育てた子供は、やはり違うんですよね、優先順位が。ベイビーがもし夫婦の子供であったなら、病気についてきちんと調べて対応したり、良い施設に入れるお金を惜しんだりはしなかったでしょう。
姉とその夫は他人から見れば冷たい人間に映ることもありましたが、そこがとてもリアリティがあって、良い作品でした。
統合失調症患者ベイビーを始め、みんな演技、表情、素晴らしかったです。

物語のおしまいは、お金の出し惜しみをやめて良い施設に入ることができたベイビーが幸せそうな様子でしたが、彼女のその後の人生がどうなるのかは、分かりません。
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