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ライト/オフのkuuのレビュー・感想・評価

ライト/オフ(2016年製作の映画)
3.7
『ライト/オフ』
原題 Lights Out.
映倫区分 G.
製作年 2016年。上映時間 81分。

動画サイトで合計1億5000万回再生されたかなり怖かった映像を、
(短編動画は、『Lights Out』ちゅうタイトルの動画で、台詞なども一切なくただライトを消すと現れる人影に驚くといった内容で、短い動画に凝縮することによって、映画ライト/オフ以上の恐怖を与えてくれます。)

一応注意されれば消しますが元ネタの短編をはりつけときます。


https://youtu.be/FUQhNGEu2KA

今作品の監督は『アナベル 死霊館の人形』の続編でメガホンを取るデビッド・F・サンドバーグ。
リメイク版『エルム街の悪夢』のエリック・ハイセラーが脚本を担当。
レベッカ役をテリーサ・パーマーが演じる。
ジェームズ・ワン製作で映画化。

暗闇に現れるという『それ』に怯える幼い弟を守るため、久しぶりに実家へ戻ったレベッカ。
たくさんのライトを準備して夜に備えるが、次々と明かりが消え、暗闇から『それ』がレベッカたちを狙っていた。

今作品は、お化け屋敷的ジャンルから生まれた、ジャンプスケアと、ホラーには欠かせない、愚かな決断をしてまう症候群とも云えるの悪い症例にまつわる決まり文句の大要を集めたものでした。
ただ、今作品がホラー映画の中でも一線を画しているって思うのは、その幽霊というか、幽霊の機能と動作のルールにあるかな。
蝋燭やら本をひっくり返しながら暗い奥地に忍び込む他の幽霊とは異なり、この厄介者は、影と闇に隠れてはいるが、出てきて人間を捕まえることができる。
こないな抑制の効いた(あるいは過剰な)この映画は、観てる側から選りすぐりの恐怖を掠め取ることに成功しているかな。
マーティン役の子役ガブリエル・ベイトマンは、母ちゃんの "友人 "に夜な夜な悩まされる、ビビりやけど誠実なプレ・ティーン(移行期)を見事に演じてました。
また、ソフィー役のマリア・ベロも、精神に障害を持つ母ちゃんを演じつつも、その苦労を見事に演じきってました。
ホラー映画やと、もはや "全盛期 "ではない才能ある女優が、悩める被害者や、血に飢えたドッペルゲンガーになったか弱い少女として登場するのは、悲しいかなよくあるパターンになっているような気がしないでもないが、ホラーを良く盛り上げてたかな。
また、マーティンの姉ちゃん役のテリーサ・パーマーと、その彼氏役のアレクサンダー・ディペルシャは、主人公と永久に脇役のボーイフレンド役としてアルアルキャストやけど、まずまずの出来栄えやったかな。
ディペルシャは、キャラとして臨機応変に対応できることを様々な場面で証明しながらも、実際の俳優の中で場違いな素人のように感じざるを得ない。
パーマーはその逆で、演技はエエねんけど、ストーリー上、眉のカーブを怯えたり憤慨したりと変化させるだけで、ほとんど出番がない。
ストーリーの中で、登場人物の頭の中に入り込むようなことはほとんどない。
母ちゃんと娘の間には敵意があるが、その理由はわからない。
親密になることに抵抗があるが、その理由はわからない。
しかし、沢山のの疑問は、この映画がホラー映画として成立しているかどうかということかな。
云い換えれば、怖がらせることができるのか?。
確かに、知的な刺激はなく、陳腐な表現が散見されるのは確かやけど、得体の知れないジャンプスケアと、大げさなセリフ、文字通り壁に筋書きを書いてしまうほど追い詰められた第3幕とか、現代のホラーにはうんざりするような甘さがいくつかあるが、しかし、今作品は最終的に成功してるって個人的には思うかな。
創造性、無駄を省いてる点、そしてただ不気味なだけでなく、胸がすくような恐怖を感じる瞬間によって、この作品は成立してると思います。
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