MikiMickle

ライト/オフのMikiMickleのレビュー・感想・評価

ライト/オフ(2016年製作の映画)
3.7
YouTubeで、「怖すぎる」と話題を呼び、再生数が1億5000万回をもこえたデヴィッド・F・サンドバーグの短編ホラー短編動画『light out』。
それに『ソウ』『死霊館』などのジェームズ・ワン監督が目をつけ、彼の製作で映画化。


独り暮らしのレベッカ。彼女の元に、幼い義弟マーティンの教師から連絡が入る。寝不足で居眠りばかりしていると。
マーティンに話を聞くと、暗闇になにかがいて、恐怖で眠れないと……
マーティンと共に実家に向かったレベッカだったが、二人の母親ソフィーはうつ病で、今は薬すら飲んでいない。先日、マーティンの父でありレベッカの義父である夫が亡くなり、その病気が更に進んでいる様子だ。
それを見て、彼女は弟を家に連れて帰る事に。
レベッカが家を離れたのには理由があった。鬱の母。父が行方不明になる… そして、マーティンと同じように、暗闇にあるものの存在を感じていたからだ…

暗闇にいるダイアナという女性に話しかける母… ダイアナとは一体誰なのか…
弟を助ける為に、レベッカは恐怖に向かっていく…過去のようには逃げずに…

暗闇になると現れる“それ”
明かりをつけると消える、でもいるという発想がまず面白い。
短編は前に見てたけど、映画のほうがもちろん全然面白かった‼

冒頭部分は、ひとけのない繊維工場の事務所から始まります。カチッカチッと電気をつけては消え、消すと黒いシルエットが現れます…つけるといる、消すと消える、つけるといる、消すといる……カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ……カチッ… すぐそこにっっっ‼‼‼ぎゃ~‼‼
そして、所々に光が照らす廊下… “それ”が、徐々に、徐々に、近づいてきます…… 暗闇の中のマネキンも気持ち悪いし、動きを感知するライトが時に消えたりして、ドキドキ‼

本題に入ってからは、真っ暗闇の扉の向こうにずっと話しかけてるお母さんがそもそも気持ち悪い。

“それ”も頻繁に出てきます
暗闇から覗く黒い手や、ガリ…ガリ…と床を引っ掻く音、クローゼットから聴こえる音などもジワリジワリと気持ち悪く、黒いシルエットと光る目も不気味…

くるぞとわかっていても、驚かせるタイミングや音でビグッ‼と♪

また、闇と光の描きかたもうまいです。ついては消える赤いタトゥーショップのネオン、カーテンを締め切った暗い実家、クローゼットの闇、抜かれた電球… ろうそく、スマホ、懐中電灯、ブラックライトなどの光…… 消えないでっ‼消えないでっ‼ 照らして~‼‼と、ハラハラしてしまう。

登場人物は少ないながらも良いキャラばかり♪メタル好きなリンダお姉ちゃん、かっこいい‼(家の中のポスターとかもかっこいい‼アベンジド・セブンフォールのもあった‼) 過去の恐怖が甦る中、実際に恐怖に体面する中、家族に秘められた過去を探り、立ち向かって行く‼
弟マーティンも可愛らしく健気。母が病気のせいもありしっかりしていて、しかし、怖いものは怖いっていう所が守ってあげたくなる‼頑張ってる‼

ひとつのコンセプトであった短編動画を、低予算ながらも素晴らしい音と光と影の演出で表し、そして、そこに家族や自分への葛藤や、鬱という心の闇や光を描いた今作。とても良かったです。

余談。その短編や他の短編にでてくるおばさんは監督の奥さんのロッタ・ロステンさんで、本編にも出てきます♪夫婦で作ってきたものが認められてっていうのも、なんか良いですね♪
MikiMickle

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