メガネン

世界の果ての通学路のメガネンのレビュー・感想・評価

世界の果ての通学路(2012年製作の映画)
3.1
ケニア、ライキピア、片道15キロを徒歩で。
モロッコ、アトラス山脈、14キロの山道を徒歩で。
アルゼンチン、パタゴニア、距離忘れた、兄妹で馬で。
インド、ペリヤパッティナム、4キロ、二人がかりで兄の車椅子を押しながら、徒歩で。

それぞれの通学路はそれぞれに過酷だ。
それを毎日行っているとなると、本当に登場する子どもたちには皆頭が下がる。

ただ、違和感も感じた。
あまりにもカメラを子どもたちが意識しなさすぎる。逆に言えば危険な場面でもカメラが冷然とそのシーンを撮り続けているのは奇妙だ。
これではドキュメンタリーというより、過酷なシーンを寄せ集めた見せ物のように見える。と言うか演出だとしか思えないような不自然なシーンが多くて感動できない。

世界にはこんな生活もあるんだと言う事を紹介したいならば、この作品づくりは違うんじゃないだろうか。

どちらかと言うと、風景に目が向く。
パタゴニアのあまりにも当て所ない茫漠とした原野の広さや、ケニアの野生動物の入り乱れた風景など。
でも、そのどれもが普段通っている生活路としては非現実的すぎて、なんだかよくわからなくなってくる。

総合して言えば、この映画は嘘っぽい。
それでも健気に歩みを進める子どもたちを捉える眼差しは優しいし、皆健やかに見えるが。その分、明らかに進路を妨害するようなカメラワークなのに、カメラマンがいないかに様に「通学に専心する」子どもの姿は違和感があった。

僕が捻くれているのかなぁ。