ノラネコの呑んで観るシネマ

パンク・シンドロームのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

パンク・シンドローム(2012年製作の映画)
4.2
面白かった。
フィンランドで活躍するパンクバンド、ペルッティ・クリカン。
ライブでは大人気でレコードデビューもしてるし、ヨーロッパツアーも大盛況。大統領府のセレモニーにも招待される。
唯一他のバンドと違うのは、メンバー全員が知的障害者という事。
ペルッティ、カリ、サミ、トニの四人のキャラクターがいい。
説明要素は一切なく、映画はただ彼らの日常を描写する。
「ほんのすこしの敬意と平等を」と彼らは歌う。
日々の怒りを歌詞にぶつける者、婚約を決意する者、選挙ボランテイアする者、失恋する者。
障害の種類も程度も皆違うし、バンドにはお約束のお互いの軋轢も。
ただみんなが音楽を愛し、人生を楽しんでいる。
彼らのギグはきっと凄く盛り上がるに違いない。
愛すべき人々を描く愛すべき作品だが、あえて作り手の主張は封印されている。
好きな映画だ。