りゅう

華麗なる晩餐のりゅうのレビュー・感想・評価

華麗なる晩餐(2008年製作の映画)
4.5
ヴィルヌーヴによる傑作コメディ!

ホラー、不気味なものが得意な監督。
やはり、コメディもイケるようだ。

階級社会を上の階から降りてくる食事で表した映画「プラットフォーム」に影響を与えたのではないか。

また、この食事の気持ち悪さ。
ヤン・シュバンクマイエルらしさもある。

◯概要
貴族の集まりのような雰囲気のテーブル。
持ち込まれる大量のグロテスクな食事。
ライオンやらサイやら貴重な動物が頭付き出でてくる。

ある程度食べると重さのためか、床が突き抜ける。テーブル、着席した人ごと下に落ちる。
下のフロアにつくと、彼らはまた食事を再開する。

給仕係、お抱えの音楽家も彼らに続く。

◯コメディ
貴族の頭上にはシャンデリア。
貴族たちが落ちても、下のフロアまでちゃんとついてくるのが可愛い。

貴族たちは仲良く食事するわけでなく、競い合ってるらしい。ライバル関係があるようだ。
この維持の張り合いが面白い。

貴族なので、もちろん生演奏つき。
音楽家も下のフロアについてくる。
しかし、床が壊れやすくなってるので慎重に。
このあたりの怖がる楽団の様子が可愛い。


飽きることなく、不必要に食べ続ける貴族たち。止まることのない供給。
やがて、自らの重さによって“落ちていく”。

彼らは十分な程度で満足せず、自らが破滅するまで満足しない。まるいは、破滅しても満足しないのかもしれない。
グロテスクなまでに富が集まる。
りゅう

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