たむ

ウンギョ 青い蜜のたむのレビュー・感想・評価

ウンギョ 青い蜜(2012年製作の映画)
3.3
キム・ゴウンさんのデビュー作ですが、デビューから別格です。
『ハッピーエンド』で監督デビューして、昨年NETFLIXの『サムバディ』も監督したチョン・ジウ監督が手掛けています。
70歳の詩人が、弟子に世話されながら、新しく入ってきたアルバイトの女子高生ウンギョに創作意欲を刺激されます。
その作品は…という筋になっており、嫉妬が大きなテーマになっています。
70歳のメイクアップで、パク・ヘイルさんが主演していますが、一体なぜ?と思っていたら、その意図は早々に明らかになります。
創作物の中では彼は若くなり、ミューズであるウンギョとの現実とは違う世界が展開します。
そこに弟子も入ってきて、ドロドロの三角関係が展開します。
現実の肉体的な老いと想像の若々しさ。
興味深いテーマが描かれます。

しかし、長いです…。
物語としては日活ロマンポルノとかでもありそうで、間違いなく80分ぐらいでまとめられるでしょう。
もちろん短く切り込めば良いというわけではないかもしれません。
ただ本作は描写や展開がくどいです。
特に2人の情事を覗こうとする詩人のギャグのようなシーン、クライマックスの罠はそのくどさが必要か?と思ってしまうほど。
テンポがゆっくりしているのと繰り返しが多いので、描かれている出来事の面白さが薄まってしまう印象です。

それでも当時新人賞を総なめにしたというキム・ゴウンさんの存在感はとてつもないです。
デビュー作はこちらのイメージも出来上がっていないので、余計に衝撃も大きいです。
『シスターズ』で凄い女優さんだな、と今更去年知り、『トッケビ』も『ユニの細胞たち』も観ていないので、2023年はキム・ゴウンさん沼にハマるかもしれませんね…。
たむ

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