まぴお

ショート・タームのまぴおのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
3.5
【ごく当たり前と思うこと】

きょうもパパはおさけをのんであばれていました。
ママはずっとかえってきません。
そのあとわたしはたたかれました。あざができたけど
パパはだまってろっていったので言うとおりにしました。
近所のひとにそのあざはどうしたのかきかれたけどころんだと
いいました。まいにちパパはわたしをなぐったりわたしのカラダをさわってくるのは
いやなことがあるからだとおもう。

パパが大好きだからもっと仲良くなりたいな。

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人から愛されずに育った子は
自分を愛することを知らないで育つ。

しかしその子はそれがごく当たり前のことであると認識する。
自然と育った子でも自分を受け入れるのは中々難しい。
心の傷を受けて育った子はなおさらだ。

2010年。アメリカでは330万人が被虐待児童として報告された。
この短期保護施設(ショート・ターム)にでてくる少年少女はごく一部である。
ショート・タームの職員ができること...

それは「見守る」こと。

自らも虐待や妊娠の経歴を持つ職員であるグレイスを演じるブリー・ラーソンは「ルーム」でアカデミー賞最有力候補として謳われている。彼女の演技も見ものだ。
4月日本公開が楽しみである。


アメリカでの幼児虐待に関するデータ

・暴力などの身体的虐待やネグレクトが原因で亡くなる子供が1週間に15人
・10秒に1人の割合で、子供が虐待されたり、レイプされている。
・報告されている被虐待児童の数は実際の半分である
・児童保護サービスへの報告数は、1週間で6万1千件=1分間に6人の計算。
・家出をする子供150万人のうち85%が「何らかの虐待からの逃亡」が原因である。
・虐待被害者は、男児が48%、女児が52%
・どの人種も、どの宗教でも子供の虐待は見られる

虐待され心の治療を受けずに大人になった場合の影響

・暴力事件で逮捕される確率が38%上がる
・刑務所に入れられた囚人の84%が児童虐待の経験者
・少年事件で逮捕される確率が59%上がる
・成人事件で逮捕される確率が28%上がる
・暴力事件を起こす可能性が30%多い
・65%以上の被虐待者はドラッグ更生施設に入れられる
・82%は自らもペドファイルになり、児童への性的虐待をする
・80%は何らかの精神疾患病の基準に当てはまる

彼らがごく当たり前に自分を愛せる日はくるのだろうか?

480本目
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