咲

ショート・タームの咲のレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
3.5
10代の子供を預かる保護施設で働く若者たちと、保護された子供たちがぶつかりながらも傷を共有しあう話。

10代で、衝動で暴れたくなるようなトラウマや痛みを抱えるのって、どれだけしんどいだろうか。多少の失敗や悲しみは経験しつつ基本的にのほほんと生きてきた自分には、正直共感も想像もできない。でもだからこそ、こういった過去を持つ人に「もう大丈夫でしょ」とか「気にしすぎだよ」とか簡単に言っちゃいけないよなと再認識した。
ネグレクトや(性的)虐待をする親の気持ちは理解できないし許せないけど、そういった親が減るようなケアも必要なのかもしれない。難しい…。
グレイス、自分も自分の親みたいになるんじゃないかとか、子供に聞かれたらどう説明すればいいのかとか、めちゃくちゃ不安だっただろうな。その怖さをちゃんと感じていることが偉い。思い切りも大事だけど、能天気ではいられなちからね。

グレイス自身も痛みを抱えてて、完全には闇から抜け出せずにいるのに、周りを気にかけて同じ境遇が疑われる子を救おうと全力になってて、凄いわ。これはフィクションだけど、こうやって全力でぶつかって自分を削りながら他者を救おうとしてる人がいるんだわ。本当に素晴らしい。そしてその人たちも十分に癒されてほしい。
咲