同じ役者で12年撮り続けて1本の映画にするという、多大なリスクを負ってまで作ったのがやはり凄い。奇跡的。髪型や服装に加え肉体的な成長や声変わりなど実際にメイソン少年が育ってることで時間の経過を表す、時の流れにこれ以上の説得力はないです。
付かず離れずの距離感で常にメイソンに添うカメラは、サブカルや政治で時代性を出しつつ様々な出会いと別れ、新たに知る世界、大人だって欠点があるということを映し出す。そして誰にでもある何気ない日常の中には人生における重要な一瞬も宿っていることを示します。
3時間は長いけど12年をまとめたのだと考えるとむしろ短いという不思議な感慨。時間は常に流れていて、そこには成長の喜びもあれば残酷さもある。父と息子の関係だけが変わらないように見えるのは父親の接し方が良かったんだな。イーサン・ホーク良いです。