MikiMickle

6才のボクが、大人になるまで。のMikiMickleのレビュー・感想・評価

4.5
場所はテキサス。
6歳のメイソン、姉のサマンサ(監督の娘)、男運の悪い母(パトリシア・アークウェット)、離婚して離れて暮らす父(イーサン・ホーク)

この主要人物4人が、12年間同じ俳優で撮影されたもの!! 12年間、毎年夏に撮影されていた!!すごすぎる。
キャストの実際の変化とあわせて、セリフや構造を作りあげていった12年。
それだけですごい!!そんな映画はいまだかつてない!!(トリュフォー監督のアントワーヌシリーズも長い事同じ主役で撮った自伝的作品集だけど。)

だから、メイソンを演じたエラー・コルトレーン君の実際の人生をみている錯覚に陥る。
すごくリアル。演技だけでない、素直な反応が見える。

そして、まるで、メイソンの思い出を垣間見るような、時に長く時に断片的な映像。
幼い頃の映像が短めだった気がするのは気のせいかな。なんか、小さい時の思い出って、すごく断片的。些細な、でも子供には印象的な映像が映し出される。裏庭で見つけた鳥の死骸。知的障害の隣人。女の子と交わした会話。

会話もやっぱり素晴らしく、哲学的なセリフだったり、親子のリアルなやり取りを感じられたり。特に、イーサン・ホーク演じる父親との会話は本当に親子なのではと思うほど、愛に満ちていて、見ていて微笑んでいる自分がいた。

単純に、時の変化と登場人物の変化も面白い。
メイソン君が声変わりしたり、パトリシア・アークウェットが老けたり(笑)
共和党州のテキサスなのにリベラルな父の政治的思考とかも時代を映し出していて面白い。

当時流行ったものや音楽なんかが、時代の流れとともに出てくるのも楽しい♪ 音楽の選び方のセンスが良いなぁ♪


そして、
母のラストのセリフが心に突き刺さる。ここでは言わないけど。母としての人生の映画でもあった。
人生はあっという間なんだ。

そして、その人生とは途切れない時間であり、淡々とした日常であり、さりげない一瞬一瞬のつみかさねであるのだなぁ。と、いう映画でした。

原題「Boyhood 」少年時代。まさしく6歳から大学に入るまでの、輝ける苦悩に溢れた少年時代。
MikiMickle

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