たいてぃー

愛して飲んで歌ってのたいてぃーのレビュー・感想・評価

愛して飲んで歌って(2014年製作の映画)
3.5
アラン・レネ監督の遺作。以前に同監督の「去年マリエンバートで」を観たが、とても難解。登場人物は3人で、去年マリエンバートで何があったか、延々と繰り返すばかりの作品。監督は「観客が参加することによって初めて完成する映画」と呼んだらしい。
それで本作だが、初老の男女たちが、その友人であるジョルジョを話題にして繰り広げられる舞台劇のような作品である。しかし、このジョルジョは一向に登場しない。そこで、ジョルジョとして観客が参加して欲しいとの思いがあるのでは?と、ふと思った。前述した「去年マリエンバートで」のように。
内容的にはコメディタッチの人生謳歌って感じで、それぞれの人物の思惑や葛藤が愉快に表現されていて、楽しい。あと、ほとんどのシーンはバックがパステルカラーの垂れ幕とか、心情表現はバックが斜めの格子柄で一人のアップ録りとか、凝った表現法に目を奪われた。また、場面の移動は車や道路・絵画の家で描写していたのも、おしゃれでお気に入り。