イチロヲ

女教師のイチロヲのレビュー・感想・評価

女教師(1977年製作の映画)
4.0
不良生徒(古尾谷雅人)による強姦行為を受けた女教師(永島暎子)が、学校側の悪質な隠蔽工作に巻き込まれてしまう。保身のことしか考えない、あくどい教諭たちの魔女狩りを描いている、日活ロマンポルノ。清水一行による同名小説の映像化。

隠蔽を企んでいる教諭(砂塚秀夫)の奔走ぶりを、ポルノに絡めながら進行させていくスタイル。視点がリレー形式でバトンタッチしていくような語り口に娯楽性が詰まっているため、愉快な鑑賞に浸ることができる。

古尾谷雅人演じる主犯の不良生徒は、弱者を無闇に虐めるタイプの不良とは別物。あくまでも、狡辛い大人に憎悪を向けている、厭人家の立場となって登場する。本作は女教師の葛藤劇であると同時に、不良と教諭の衝突劇でもある。

「教育の現場も、大人の汚いやり口によって運用されているに過ぎない」という、絶対普遍のテーマ性を物語っている作品。現実を投げつけてくる作風のため、復讐劇のカタルシスを期待してはイケナイ。
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