MikiMickle

パディントンのMikiMickleのレビュー・感想・評価

パディントン(2014年製作の映画)
4.0
ある探検家がペルーを訪れ、変わった熊を発見し、持っていた文明の品々を与える。
それから40年後、2匹の熊とその甥っ子の熊は、英語を話し、道具を作り、人間らしい生活を楽しんでいた。ロンドンを夢見て。
しかし、巨大な地震がおこり…
小熊は一頭で、貨物船に忍び込み、ロンドンへと。
そこで出会ったブラウン一家に、駅名の「パディントン」と名付けられ、その冒険家が見つかるまで居候させてもらう事に。
はじめての都会になれなずにヘマをしたり、大活躍したり。だんだんブラウン一家との仲が深まっていくが、迷惑をかけてしまった事に心をいため、家を出るパディントン…
そんな彼を剥製にしようと狙う女の魔の手が迫る‼


もう、パディントンが可愛くてたまらない‼
CGだけど違和感なし‼ モフモフ♪
英国紳士のマナーのレコードをずっと聞いてそだったので、挨拶も言葉遣いも丁寧♪
だけど、熊だから、大変なヘマもするけど、それがまたおもしろくて♪
悲しげな表情が切ないのです…それも全て含めて好き‼大好き‼

ブラウン一家の父ヘンリーは、子供から「石頭」と呼ばれる堅物で、最初はパディントンを厄介者としてるけれど、二人で地理協会に忍び込んだり(このシーンも最高に笑える)、どんどんかっこよくて素敵になってくる‼

母メアリーは、とても愛に溢れた人で、独特の雰囲気がキュートすぎる‼

娘ジュディーは、パディントンいわく「キモい病」にかかってるティーンエイジャーだけど、パディントンの巻き起こす騒動から、だんだんと家族への感情が変わっていって♪どんな言語もすぐに収得しちゃう♪

息子ジョナサンは、宇宙飛行士に憧れるやんちゃ少年♪で、色々作っちゃう彼の才能も素敵♪

同居するバードさんというおばあちゃん。最高っ‼

隣に住む偏屈親父のカリーさんもよいし、

ニコール・キッドマン扮する悪役ミリセントもなんだか憎めない。元夫のトム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」のパロディありw


そして、アートワークがとにかく可愛い‼
熊お手製木製マーマレード作りベルトコンベアーや、お茶を運んでくる列車なんか、ワクワクしちゃう♪
家の中も夢に溢れてる‼メリーゴーランドの置物や、個性的な子供部屋もっ‼

で、もう、色合いが可愛い‼
インテリアは水色と赤・オレンジを基調としていて、特にダイニングキッチンは完全に私好み♪パディントンも赤い帽子と青いダッフルコート♪奥さんの服も♪
パステルカラーの街並みもたまらない‼

ディテールにもほんと、こだわっていました。物もだし、小ネタでたくさん笑わせてもらったり。
そして、世界観も素敵なのです。
思い出や、映写機の映像や、ドールハウスがリアルに変わっていったり♪
ジャン=ピエール・ジュネやウェス・アンダーソン監督の世界観に似ています♪
見ていて、ほんとに楽しい‼

そして、伏線がきちんと回収されていくのです。
過去の失敗が成功を導いたり、ブラウン一家の個性が発揮したり。
それが心地よく、爽快です。
脚本、とってもよく出来ていると思う。子供だまし感がない。

音楽もとても良いのです♪
町にいる楽団の奏でるラテン音楽♪歌詞もパディントンの心情にあっていて♪
エンドロールでのグウェン・ステファニー姉さんの歌声‼

ラスト。
皆と同じようにはなれない。
でも、それでいいんだと…
これは、パディントンの事だけではないのです。
個性的なブラウン一家の人々もです。皆、違ってそれでいいのです。
そして、私もそれでいいんだって、自信を貰えました

この映画…というか原作も、「移民問題」・「疎開」・「孤児」がテーマでもあります。「異種」という言葉がよく出てくるのだけれど、「異種」を受け入れる事ができるのかという問いかけにもなっていると思います。 カリプソ音楽も繋がります。歌っていたD limeというバンドはカリプソバンド。
カリプソは元はイギリス領トリニタードトバコの黒人音楽で、第二次大戦後にイギリスなどの国外に移民として流出した彼らが歌い続けたものです。(見ている時はそんな事はあまり深くは考えませんよ。あとからそう思ったの)

違うものを認める、個性を尊重する、好きなものを貫く、自分に自信を持つ事の大切さ。
そんな事を感じさせてくれるし、
楽しく、素晴らしい映画でした。

場内に溢れる子供と大人の嬉しそうな笑い声。
皆がパディントンのキュートさを楽しんでいるのがよくわかります。
子供の泣き声含めて、劇場が幸せな雰囲気に包まれていました。
MikiMickle

MikiMickle