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壁の中の秘事のmareのレビュー・感想・評価

壁の中の秘事(1965年製作の映画)
3.5
壁の中に蓄積されたフラストレーションは団地の中で幽閉されて行き場を失い、いつ爆発するかもわからない危険な状況を作り出す。誰もが情緒不安定、どうにもならないというのに真っ新な環境の変化を望んでいる。渇望が支配する映画であり劇的な何かを欲する彼らの目のクローズアップが暴発寸前で怖い。ときに欲望は人間の最大の狂気であり凶器にもなる。いかにスキャンダラスな映画であるか、理性が効かないその眼差しから生々しく伝わってくる。ベルリン国際映画祭で大映作品を差し置いて出品されてしまったハプニングがあるが、監督本人は自分の意思ではなく周りが囃し立てたみたいなこと言ってて面白かった。
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