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複製された男のyawaraのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
4.0
妊娠中の不安定な情緒を具象化した物語。

時折パートナーが別人のように見える事を、複製された男が実在するかのように、二組のカップルとして投影する事で描き出す。
SFとして見ていたら「それ違うよ」とやんわりと指摘されるような、ユニークな作りがとても面白い。ヴィルヌーブならではの現実離れしたルックや弦楽器だけの(バイオリン?)意味深なbgmもこの作風に非常にマッチしているように感じた。
蜘蛛が男女の関係を示唆するメタファーとなり、使われ方も独特でプロットをうまく引き立てている。

解釈の幅が広く、それこそ見られた人数分の解釈があるような作品。この感想もまた単なるいち解釈です。
それゆえに映画に対して確定的な答えを求めてしまうような人には、少し疲れる作品かもしれない。
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