園監督が世の中にまだ認知されてないころの作品。
ピンク映画という場所でエッジの効いた挑発的な映画を撮ってるのかと期待したが。

フェラで、パイズリで壺をこねるといったお馬鹿コメディ。
エロとアートは紙一重？いやアートってエロいもんやと言っているのか。
セックスシーンを趣向を凝らせて見せているのがある意味面白いけど、ある意味ジャンルに親切すぎて物足りなさを感じる。

枠からはみ出す感じを園作品には期待してしまうが、きっちりピンク映画の仕事をこなしてるとこが手腕があるんだろうが残念。
何が観たかったんやと言われそうですが。

人気陶芸家のナミエは、今年の女流陶芸家品評会でも大賞間違いなしだろうとたかをくくっていると、なんとまったく新人の陶芸作家であるヒカルが出品した壺のほうが絶賛され、ナミエは立つ瀬がなくなってしまう。
いったいどんな手を使ったのかとヒカルの秘密を探っていくと、衝撃の事実が発覚する。なんとヒカルは、その巨乳で粘土を挟み込んで壺を形作るパイズリ壺の達人だったのだ。
ヒカルのパイズリ壺に対抗しようとするが、ナミエの胸ではパイズリができない。もはや自分には何も残っていないのかと、彼女は絶望するが、舌技を駆使するフェラ壺を思いつく。
見事な巨乳の圧で力強く形作られたパイズリ壺か、ろくろを回しながら粘土の先端を舐め上げ繊細に指を這わしたフェラ壺か、次の品評会を制するのはたしてどちらか…女の戦いが始まる！というピンク映画。
ストーリーをほとんど書いてしまったが、あらすじを知って観たとしたも、この映画の何かは目減りしないと思う。
『愛のむきだし』で監督として変に注目を浴びたので、日本映画界の鬼才だの何だのと認識されているが、本来、園子温はエロ漫画家的な資質の持ち主だということがわかる。コミケの老名主に、こんな感じのエネルギッシュ変人多そう。
エロシーンよりも私の心をつかんだのは、ナミエの弟子のふたり。カジュアル作業着女子だ。萌える。

からみのない場面の女優さんたちの演技がなんか一生懸命で楽しい。カメラワークは作風なのかな。自主映画手持ちカメラの不安定さを見ると、ロマンポルノはしっかり映画だなぁと改めて思う。
強いて文句を言えば…女流陶芸家フェスティバルの字が生理的にムリってレベルで下手すぎる。スタッフだれも習字やったことないのか…

• #自主映画