Omizu

闇のあとの光のOmizuのレビュー・感想・評価

闇のあとの光(2012年製作の映画)
2.9
【第65回カンヌ映画祭 監督賞】
メキシコ、ヌエーヴォ・シネ・メヒカーノに属する映画作家カルロス・レイガダス監督作品。カンヌでのプレミアではブーイングと拍手が大きく割れたという。

なかなかに胸クソ悪い話を美しい映像とマジックリアリズムでカバーしようとしている、という印象。なんとも言いがたい。

映像は文句なしに素晴らしい。特殊なレンズを使ったのか端が二重写しになるような表現、青とオレンジが混じり合った夕暮れの空、謎の赤い牛男…要素を取り出せば好みドンピシャのはずなのにピンとこない。

やろうとしていることは分からなくもないが、あまりに形而上学的すぎるアプローチでは。スクリーンでみたら本能的に入り込めるのかな、とは思うが。

赤い牛男は人間の鬱屈した精神や醜さの象徴なのかなとも思うし、興味深い会話がなくはない。子どもたちの成長は観ていておもしろかった。

単純なことをわざと小難しくしているように思えてあまり好きではない。批評家なら分かってくれるでしょ的な高尚さが鼻につく。
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