このレビューはネタバレを含みます
超難解。超感覚的。アピチャッポンのようなあの感じ。こういう作品を観るとこの意味はなんだとか、これはメタファーじゃないかとか、監督の概念や意図は何なのかなど、あれこれ分析したくなるんだけど、そういうものは無駄な感じがしています。
スタンダートタイプの4:3の画角で、レンズのように丸く縁取られたエフェクトがかかった画面は、出来事のいびつさやゆがみをより強調しているかのようにも思えます。もしくは、夢を見ているかのような感覚。
メキシコの村。森の一軒家で暮らす夫妻とふたりの子供の4人家族。夜中に赤く発光するミノタウロスのような悪魔のようなクリチャーが、工具箱を持って家の中に静かに出現して、そこからいろんな出来事が不穏さを漂わせながら展開していきます。
アルコール依存症の会の集まり。
寄宿学校でのラグビーの練習。
男女混浴サウナでの乱行。
成長した子供たちが遊ぶ浜辺。
それぞれのエピソードやシークエンスが関連なさそうにバラバラと展開。自殺するかのように、いきなり自分の首をもぎ取るラストシーンにビックリ。
カンヌ映画祭の作品が苦手という知人がいるんですが、そういう人ってこういうタイプの作品に拒否反応を示しそうだなと思うんです。選ばれし者だけがわかればいい。そんな匂いがプンプン漂う作品です。僕はチンプンカンプン。どうやら選ばれなかったようです。