浅野公喜

喰女 クイメの浅野公喜のレビュー・感想・評価

喰女 クイメ(2014年製作の映画)
3.3
「(酔えば)俺は人間国宝だッ!国から2億貰えるッ!」「(お~い、お茶の口調で)お~いブス!」「(タクシー乗れば)俺んち行って」といった迷言(?)を残すエビゾウ・イチカワとコウ・シバサキ主演の三池監督による怪談物。

その破天荒さで有名なシュリンプが眼光鋭いコウちゃん演じる恋人が居るにもかかわらず女遊びする役者を演じるというセルフパロディ的要素強めの今作は、三池監督の傑作「オーディション」の終盤にも相通じる舞台の内容と現実がシンクロ(交錯)するというストーリーが魅力で雰囲気も悪くなく。しかしながら舞台と家メインに描かれる点はビジュアル的に少々飽きが来るもので、良くも悪くも三池監督らしいチープなCGの「首」の演出は浮いてたり車の窓に突っ込んできたり、「ザ・ブルード/怒りのメタファー」的なシーンを除けば女の怨念というよくある怪談物の枠を出ない予定調和の内容だったりします。コウ・シバサキのビジュアルも、怖いというより綺麗という印象が個人的には勝ってる感じ。

シュリンプ本人が企画に携わっているというのも関係しているのかもしれませんが、もっと女性に対しクズなキャラ設定だったらより刺激的だったのでは・・と考えました。
浅野公喜

浅野公喜