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柘榴坂の仇討のyumaのレビュー・感想・評価

柘榴坂の仇討(2014年製作の映画)
1.2
原作未読。
何故このような作品が完成したのか、到底理解が及ばぬ程の作品であった。
まず、演者が演技というものを何も理解していない。皮肉なことに、藤竜也という良い演者を出すことで他の演者との決定的な差を白日の下に晒すことになってしまったのだ。藤を除き及第点は津嘉山正種と二代目中村吉右衛門のみである。個人的に広末涼子の容姿にはケチのつけようもないのだが、しかしそれでも尚あの演技には目を瞑ることは困難である。
またほぼ毎度の、カットの主役が中心に来る構図は大学生レベルであり、良い絵を撮る、良い映画を作るという心意気の欠片すら感じることができない。演出点においても、雪が降り積もる夜の中、周囲がはっきりとわかる程のあの強烈な月明かりは、夕方の水戸黄門でのみ許されるものだ。チープに映る。観客がチケットを買い、鑑賞するレベルではなく、もうそのような時代劇の演出は遥か昔のものである。「時代は変わった」のだ。
決して脚本は悪くないのだが、その他の点が酷すぎる。今作が万が一にも「良作」として扱われるのであれば、まさに邦画及び観客者の終わりがすぐそこに近づいているということになるだろう。
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