このレビューはネタバレを含みます
インド映画ってやっぱり刺さる。
この映画は、誰に感情移入するかによって、映画の見え方が変わってくる。ハッピーエンドか、そうでないかも。
シュルティにとても感情移入してしまったわたしにとっては悲しいラブストーリーだった。
人生も恋もタイミングって大事。
一瞬の躊躇が大きく人生を左右する。
地位や経済力に恵まれた婚約者の存在や母親の反対があったにしても、背負っているものを捨てきれず一歩踏み出せなかったのはシュルティ自身。
シュルティがバルフィについて行くべき日は、バルフィがシュルティの家に訪れたあの日だったのだ。
もっと早くリスクを冒していれば、シュルティは恋破れることはなかった。バルフィと連れ添うことになるのは彼女のはずだった。
ラスト、ジルミルを発見できず施設を後にするバルフィとシュルティ。突然聞こえてきた「バルフィ!」と叫ぶジルミルの声。、
バルフィには聞こえない。
シュルティには聞こえる。
振り返らず聞こえてないふりをすればバルフィは自分のものになる。
でも、彼女は振り返り、バルフィにジルミルの元に行くように促す。
究極の選択のシーン。
一番涙したシーン。
きっと彼女には後悔などなかったと思う。
残酷なことをして手に入れた愛に、幸せなんて訪れないから。
微笑むシュルティが女神のように見えた。