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バルフィ!人生に唄えばのTJのレビュー・感想・評価

バルフィ!人生に唄えば(2012年製作の映画)
3.5
聾唖の青年バルフィのめくるめく半生。そして彼に惹かれる二人の女性。愛の言葉は活躍しない優しいラブストーリー。

人妻シュルティとのくすぐったい前半、自閉症の幼なじみジルミルとの危なっかしい中盤。そして三人の人生が交わる切ない後半。

コメディチックに進みながら、時にシリアスに時間軸もバラバラに。映画好きならよく見た展開も、インドの景色を通し爽やかな風を運んでくれます。

目は口ほどに物を言う。耳が聞こえず言葉も話せないバルフィの純情に言葉など必要かとさえ思わせてくれる。

ジルミルはバルフィに導かれ外の世界を知る。人妻シュルティは多くの人の視点。理性と本能を天秤にかけた後悔は誰しも通る道。

三人の中でも特にジルミルを演じたプリヤンカーがよかった。ミスワールドにも選ばれた美貌ながら、野生児のような体当たり演技が好感でした◎

一瞬の男女のやりとりで見せた、三人の再会はとても切ない、けれど心に残るシーンでしたね。

手話や表情で見せるから、普段どれだけ自分が字幕に頼っていたかと反省。情報や言葉が湯水のように沸いて溢れる時代だからこそ、スーっと沁みる良作でした♪
沈黙も大事やね。
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